アダルトVRフェスタに行ってきた話
技術の進化がめざましい昨今だ。その技術は我々の生活に深く寄与し、安全や利便性、豊かさをもたらしている。技術というと何も最新のものだけを指すわけでもなく、たとえば朝起きて会社に行き仕事をし、家に帰って寝るまでの間にも様々な技術の恩恵を受けている。
科学技術の結晶たるスマートフォンの目覚まし時計アプリで目を覚まし、各種SNSをチェック。ティファールでお湯を沸かしてコーヒーを飲みつつめざましテレビのめざましじゃんけんに参加。シャワーに入り準備を整え駅に向かうとsuicaをタッチして構内に。会社に着くとPCを立ち上げエクセルやワードで資料を作成する。仕事を終えて一杯飲んで帰るかっつってお金が無い君は金の蔵に行くのであり、テーブルに備えられているタッチパネルでやっすいお酒とやっすいおつまみをオーダーする。まだ時間あるなっつってダーツバーに行きダーツライブで世界中のプレイヤーとダーツに興じたらもう良い時間。家に帰ってもやることがないので延々とスマホをいじくりLINEツムツムに興じるともう深夜深く、目覚ましアプリをセットして眠りにつく。この中にも様々な技術が入り込んでおり、日々その恩恵を受けていることが明らかだろう。
技術というのは日々進化し、新しい技術が表れては廃れ、競争が起こり、勝ち残る。そういうサイクルの中で今注目すべき技術の一つがVRだろう。
VRとは
VRとはバーチャルリアリティ(Virtual Reality)の略である。最近では仮想現実と訳されることも多い。つまりは仮想の現実であり、仮想を体験として現実化するということである。もっと簡単に噛み砕いて言うと、現実のような架空の体験をする、ということである。
現在では顔にオキュラスリフトといったようなヘッドセットを被り、目の前の空間を塞ぎスクリーンだけが見える状態にすることで今いる空間ではなくスクリーンに映し出されるものが世界となる。それは正面だけではなく顔の動きに併せて360°回転し、まるで自分がその世界にいるかのような体験ができるという代物だ。 お台場にはVR ZONEという施設があり、そこで様々なVRアトラクションを体験することができる。
つまりはこのVRというのは世界を塞ぎ、目の前に新たな世界をつくりだし、その中に入り込むことができるということだ。
ここ最近出てきた技術なので、今まさにベンダーがあらゆるコンテンツを用意しているところであり、これから様々な新しい世界が提供されるのだろう。
たとえばそれはVR ZONEであれば、ちょっとしたゲームのような体験であるけれども、ここからさらにインターネットで繋がり、他人との繋がりができることでVRの世界がもうひとつの世界になりうることもあるだろう。インターネットの画面を通り越して今そこにいるような体験である。さらに画面だけではなく触覚、すなわち触れることを再現するハードウェアができた日には、嗅覚を刺激する機能が備われば、五感すべてを網羅することができれば完全に新しい世界になるのである。
では人はその技術を利用してまず何をしたいか。
簡単に言うとアダルトコンテンツである。
もう綺麗事とか聞きたくない。アダルトコンテンツだろう。コンテンツの反映にはアダルトが必須なのだ。なぜか。それを欲する人がたくさんいるからだ。
君はアダルトビデオを見るだろうか。アダルトビデオといっても別にビデオである必要はなくDVDでもブルーレイでもダウンロード型でも見放題でもいいだろう。かつてブラウン管でアダルトビデオを見ていた君もいつしかPCのディスプレイでストリーミングのAVを見るようになった。でもブラウン管でもディスプレイでも平面なのだ。君のディスプレイは液晶か、有機ELか、そんなことは関係ない。その絶望的な面は君とアダルトコンテンツを隔離する。すこし目線をはずすと壁が見えるだろう。それがアダルトビデオの現実なのだ。
しかしVRならばどうだ。360°すべてがそれなのだ。それはもう画面ではなく世界という概念なのだ。VRとは仮想現実、つまりは仮想世界なのだ。アダルトの世界に飛び込む。自らの体験を浸透させる。それがアダルトVRだ。
そんなアダルトVRのイベントが秋葉原で開催されると聞き及んだのである。
アダルトVRフェスタに参加すべく秋葉原へ
"国内初!アダルトVRが体験できるイベント!"「アダルトVRフェスタ01」が開催決定! と記載されている。
これしかない。このクソみたいな世界に一筋の光明があるとすればアダルトVRであり、その道筋を指し示してくれるイベントとなるだろう。
意気揚々と秋葉原へ向かう。 秋葉原に来ることもめったにないこともあり、例の事件から歩行者天国が無くなっていたのかと思っていたら、そこには歩行者天国が再開し、活気にあふれる街があった。
14時スタートということで意気揚々と1時間前に会場に行くともう既に会場前には人で溢れかえっている。管理ができておらずどこにどう整列すればよいのかも指揮できない様子。友人と合流し待ってみるもうんともすんとも、再整列なんかもなく「ヘタするとこれは暴動が起きるな。。。」と思わせるようなものであった。入り口付近にいた20名ほどのラッキーボーイたちがスタッフに従い建物の中に入り込む。建物の中で開始まで並ぶのだろう。
アダルトVRフェスタ、会場を前にしてオフィシャルじゃない列が両方向にできてるから地獄でしかないな pic.twitter.com/o1RtsD77Zc
— くれ えいぞう (@Eizo0000) June 12, 2016
ここに集いし人々はアダルトVRに命をかける者達である。この現実に嫌気がさした者達である。女性に見向きもされず悶々とした感情を抱く者達である。しかし人並みに欲望を持つ者達である。この世界ではその欲が満たされない者達である。しかし人に迷惑をかけたくない者達である。なんとか自分でしっぽりと世界のすみっこで処理できればそれでいいやと願う者達である。素敵な者達である。新しい世界に希望を持つ者達である。そしてここにたどり着いた者達である。
あまりにも紳士な者達である。開始数分前に完全におかしな列移動があったけれども文句ひとつ言うこと無く係に従い、まだかまだかと待っていた。その目の前に係が表れたのは、開始時間を20分ほど過ぎたところだった。
アダルトVRフェスタの未来は明るい
アダルトVRフェスタは中止となった。
列の制御ができず警察のお叱りを受け解散するしかなかったとかなんとかだ。
しかし未来は明るい。スタッフが涙ながらに「申し訳ありません!本日は解散となります!次回必ず大きな会場で開催いたします!」と言った際には暴動が起きるかと思いきや、列を成していた者達から拍手が起こったのである。ここに集いし人々はアダルトVRに命をかける者達である。この現実に嫌気がさした者達である。女性に見向きもされず悶々とした感情を抱く者達である。しかし人並みに欲望を持つ者達である。この世界ではその欲が満たされない者達である。しかし人に迷惑をかけたくない者達である。なんとか自分でしっぽりと世界のすみっこで処理できればそれでいいやと願う者達である。素敵な者達である。新しい世界に希望を持つ者達である。そしてここにたどり着いた者達である。
そして何よりも紳士である。
アダルトVRの未来は明るさしか無いだろう。おれたちがいるのだから。
運良く中に入った猛者から
とはいえ転んでもただでは起きないのがおれである。 先述の"入り口付近にいた20名ほどのラッキーボーイ"の中にもちろん友人を忍ばせていた。
かれこれひとりで2時間も満喫している。そいつに聞き及んだ範囲でレポートとさせていただこう。
まずはこれだ。
アダルトVR
これはもう説明も不要だろう。
今まさにアダルトVRを体験しているそのタイミングである。
アダルトVRの世界ははかなくも機械越しだ。それを端から見るというのは無粋というものだろう。
風を当てておっぱいを触っているような気分になるマシーン
車に乗った際に窓を開け手を表に出すことによりその風圧でおっぱいを触ったような感覚になるというのは良く聞く話だろう。その拡張版、進化版である。
ダンボールと侮るなかれ。ハイテクなマシーンである。なんか中で指の動きを感知して風の強さを調整するというハイテクノロジーである。
アダルトVRの簡易版
これはようわからん。あとで体験するしかない。
なんか女の子
もしかすると君は会場におっさんしかいないと絶望するのかもしれない。
しかしそうでも無いようだ。
何かしらのマシーン
何かしらのマシーンである。
なんとなく想像がつくけれどもそれを言うのはヤボというものだろう。なんとなくではあるけれども、上下しそうである。
VR+腹筋ローラーマシーン
これは筋トレ器具の腹筋ローラーとVRを掛けあわせたものである。腹筋ローラーを伸ばすことにより頭部にセットした器具に映し出されるアダルトコンテンツ、すなわちM字開脚をした何かしらスカートの中的な何か(※詳細を聞き修正)が近づくとのこと。伸ばしている間はさぞつらいだろう。腹筋には乳酸が貯まる。乳酸とはつまりはこういうことなのだろう。フィットネスとセクシー。アイデアとは常に掛けあわせだ。
触るマシーン
彼がなぜ手を投げ出しているかというと、頭部にセットしたディスプレイに自分の手が映しだされているからだ。つまりは仮想世界に自分の手が入り込むことに成功したのである。その手が触れることにより仮想世界の女の子に何かしらのアクションが起こる。ぼやかしていうとそういうことだ。たとえばこの手にグローブ的なものがつき、その触覚を刺激することがあれば、それはもう世界(ザ・ワールド)だ。
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最後に
最後にもなにもこれで終わりである。
これで君は何を思うだろう。漫画「ルサンチマン」や「狂四郎2030」の世界を想像するだろうか。答えは人それぞれだ。
今おれはメイドダーツバーでカタカタとパソコンを打ち込んでいる。
チャージは500円でワンドリンクオーダーだ。ワイファイも通っており店内は活気にあふれている。もちろん設置されているのはダーツライブだ。世界中のプレイヤーだけではなくメイドさんとダーツに興じることができるのだ。
秋葉原に来ると君もここに来ると良いだろう。
アダルトVR交流会にも行ったよ!
アダルトVRエキスポは抽選に落ちたよ!
ぎゃっ、アダルトVRエキスポの抽選落ちてる
— くれ えいぞう (@Eizo0000) August 19, 2016