大学生は読書する方が良いって話
たとえば、趣味は読書ですと言うとそれはサークルの自己紹介や履歴書の趣味/特技の欄を埋めるためのありふれたひとつかもしれないけれどもそれでもなお読書を勧めるものであって。
読書とひとことで言ってもその幅は広く、つまり読書というのは書籍を読むということなので書籍の多さが幅の広さを表すものであって、自己啓発本を読んでも読書、旅行記やエッセイを読んでも読書、小説を読んでも読書、小説の中にも歴史ものもあれば恋愛ものもあればミステリーもあればそれを総じて読書とまとめるのであるいはありふれたものになるかもしれない。
読書に限らず全ての物事にあたることだけれども、生活するうえで何かしらの接点を持つものはその後に影響するというのは大いにありえるのであって、たとえばテレビで警察24時を見て警察を目指す少年が出るのもあれば、病院で看護師さんに優しく接してもらったことで看護師を目指す少女もいるだろう。
就活中の大学生に話を聞くとやりたいことが無い、よくわからない、とよく聞くのだけれども、その「やりたい」にも職として、プロとしてお金を得てそのお金を以て生活をしたいというのもあれば、趣味的に生きるために必要なお金とは別としてやりたいというものもあるかもしれないけれども、そうであれば、上場企業や経営が安定している、あるいは体力がある企業を上から全部エントリーシートを出すべきであって。
読書にもタイミングというか、この段階ではどういうものを読むとその後に影響する、というのはあって、つまりは大学生は読書をしたほうがよい。図書館に行って借りればお金もかからないし、ブックオフ行けば108円で買えるものもあるし。なぜ大学生かというと、もちろん専門の施設に通うことでしか得らない専門の資格が必要なものであればそこに進むべきだけれども、残念ながら大学の新卒採用の選択肢が広がるのであって。
というのは、読書に限らず映画やテレビドラマでも良いけれども、職を深く見ることができるドラマを見たほうが選択肢が広がるのであって、たとえば原田マハの『本日は、お日柄もよく』であれば主としてスピーチライター、他にも広告や政治の話を知ることができ、あるいは原田マハの『キネマの神様』であれば、出版/編集の仕事、映画、ブログの仕事を垣間見ることができるのであって、あるいは原田マハの『楽園のカンヴァス』であれば美術館のキュレーターという職に触れることができる。
たとえば13歳のハローワークを読んだりサイトにアクセスすると、この世界にどのような職があるか知ることができるけれども、そこにいるのはやはり人であって、人がいるということは仕事をするうえで進む物事やそれに付随する心情も出てくる。どういうことをする、だけではなく、何が起こって何を思ってというのは概要だけでは読むことができず、やはりドラマが必要だろう。もちろん小説やドラマはフィクションであって、実際の現場は異なるところもあるだろうけれども、職を知ることは第一歩であって、その先に実際にどのような人がいてというのはインターネットで見たり話を聞けばよい。
アニメでもラノベ作家が主人公の『エロマンガ先生』が今期絶賛放映中であってオモローであって、あるいは先にはゲーム制作会社舞台の『NEW GAME!』が人気を博したように職を舞台とした創作物は世界を広げるものであって、あるいはこの先youtuberが主人公の小説が出て来るかもしれない。
ここでさらに読書を勧めるのは、たとえばピース又吉が芸人を題材にした火花を書いたり、中島らもが広告を題材にした小説を書いたり、先述の原田マハがキュレーターを題材として小説を書いたりするものであって、つまりは作家自らが経験したもの、職としていたものについて書かれたものがしばしばあるのであって、その体験が表れ、つまりはその作家じゃなければ誰も書けなかっただろうといったものは痛快であって、職がテーマなものにかぎらずに私小説と呼ばれるものに表れるけれども、職がテーマであればなおさらこの傾向が強い。
自分の職は小説になりえるか。webディレクター。成功体験がいいんだろうなぁとか思いつつまず自虐的なことが頭に浮かびそうでアレだ。うん、アレだ。
原田マハ祭。