大腸内視鏡検査を受けた話、あるいは処女を失った話
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今から書くのは大腸内視鏡検査を受けたという話だ。端的に言うとそういうことだ。11文字で収まる。
検査というものには二種類あるだろう。それは特に体の変調も無いけれども人間ドックや自主検査で受けるパターン、もうひとつは体の変調があり何かしら探るべく受けるパターンだ。おれの場合は後者だ。体に不調があり今回受けたわけで、その経緯から実際に検査に至るまでを記す。君は大腸内視鏡検査を受けたことはあるだろうか。もし受けたことが無かったり、これから受ける予定があるようなら多少の参考になるかもしれない。
経緯:なぜおれは大腸内視鏡検査を受けたか、あるいは日本ダービー
5月の下旬ごろ、詳細には憶えていないけれども、日本ダービーの日にはもう何日も経過した頃だったと憶えているので5月の20〜25日の間ぐらいだろう。突如としてお腹がゆるくなった。何か変なものを食べた記憶もなく、その他風邪っぽい症状など異変は無い。いきなり来た。このお腹がゆるいというのは柔らかい程度のそれではなく完全に水っぽいアレだ。今までそんなこともなかったけど、まぁたまにはあるだろうと出始めの際には思っていた。しかしそれが収まらない。1日に10回ほどトイレに駆け込む始末だ。会社のトイレにウォシュレットがあって助かったけれども、もし無かったらおれのアナルはすり減っていただろう。
休日。5月29日。おれは府中にある東京競馬場に行った。日本ダービー。最終的に10人ぐらい集まる予定だったので、良い席を確保できるよう友人と3人で朝イチから並ぶ。我々の他にも良い席を取ろうと人で溢れかえっている。開門と同時に皆ダッシュし席を確保する。いわゆる第0レースというやつだ。
我々はちょうどダービーのスタート位置辺りにシートを張る目論見だ。スロットに朝から並ぶときもそうだが、朝イチ、すなわちお店に入る直前ぐらいには緊張することがある。緊張というのは時に尿意や便意をもたらすことがあるだろう。君も経験したことはないだろうか。東京競馬場の門の前、おれは緊張していた。なぜか。ミスると後で来る予定の友人含め良い席で見れないからだ。その緊張は完全に便意をもたらしていた。3人で役割を分ける。おれはブルーシートを抱え開門ダッシュだ。
開門時間が近づくにつれて便意。しかも完全にゆるいやつだ。ミスれない緊張と便意が頂点に達した頃、東京競馬場東門が開いた。
ダッシュすることで開門と同時におれのアナルも危うく開門するところだった。
夕方。全てのレースが終わる。
その日も都度トイレに駆け込み水のようなそれを出していた。競馬場というのはやはり男性が多く、女性用のトイレはやはり列ができていたりするけれども、それに負けず男性トイレも並んでいたりする。ラッキーだったのは大きい方はさほど混まないということだ。やはり運を大事にしておきたいのだろう。おれはウンといっしょに運も流したのかなガハハっつって、その日は散々な結果であり12レース中1レースしか当たらない体たらくだった。
ダービーの話が長くなったけれども、以後引き続きお腹がゆるいのは改善せず、そろそろやばいかなと思ったところで風邪をひいた。 病院に行き風邪薬のついでに実はこのところお腹がゆるいのが3週ほど続いておりと申告して整腸剤をいただいた。
まぁこれでお腹ゆるいのも治るかなと考えていたけれども一向に治る気配はない。
この時期にどれぐらいだったかというと、風邪をひいていたので野菜ジュースなんかを飲んでいたのだけれども、それがそのまま出てくるような状態だった。
この辺りでgoogleで「下痢 続く」といったかんじで検索してみるとなかなか怖い病名が出てきたりする。33歳という年ではあるけれどもそういった病気の可能性も全然あるわけで不安が募るようになる。偶然にもこの頃、母から「おまえが行方不明になる夢を見たけれども変わりは無いか」的なメールが来て、何か通ずるものがあるかもしれないと不安が増した。
処方された整腸剤を飲みきってもやはり改善はせずそろそろやべえなっつって再度病院に行くと、じゃぁ一度内視鏡で見てみるかって流れとなり、検査の予約をしたのである。
検査前日、あるいは惨劇の予感
病院に行った二日後に空きがあり、ちょうどそのタイミングで有給休暇を取っていたのでうまいこと検査予約が取れた。その日は採血のみを行い帰宅する。
大腸内視鏡検査には事前の準備が必要だ。というのは検査の際にはもちろん腸を空っぽにする必要があるということは想像に容易いだろう。
本当は数日前から消化しやすい、たとえばうどんや豆腐を食べる。そして消化しにくい海藻類は避けるというようなものだ。今回は予約から二日後ということもあり、その日だけ昼夜をうどんで過ごした。
そして翌日、すなわち検査前日。検査前日にすべきことは2つだ。ひとつは朝昼晩と検査食を食べる。ふたつめは下剤を飲む。
検査食とはすなわちレトルトパウチに入れたお粥などのセットであり、朝おかゆ、昼おかゆ、いちおうおやつでクッキー、夜はスープのみというものでなかなかタフだった。
おやつと晩ごはんは写真を取るのを失念したけれども、朝ごはんと昼ごはんはこんなかんじだ。
朝ごはん
昼ごはん
仕事を早々に切り上げ帰宅し、下剤を飲むタイミングを伺う。もらった際に聞くところによると、飲んでから3〜6時間で効いてくるとのことだった。そして飲むように指示されたのは21時だった。
つまりは午前0時〜午前3時に効果が表れるということで、これがなかなかやっかいというか、完全に寝ている時間だ。 もしギリギリの3時なんかに来た場合にはおれ、完全に眠っており、それで起きないようなことがあれば地獄なのは明白だろう。 朝起きると地獄といううんこが広がっており、何から手をつけてよいのかわからなく年甲斐もなく泣いていたかもしれない。
幸い24時辺りに効果が表れ、惨劇を回避することに成功した。
検査当日、あるいはロストバージン
検査当日。たしか胃カメラの際には水も制限されていたような気がするけれども、大腸の場合はその限りではない。コーヒーは飲めないけれども朝から水を飲むことはでき、特につらいこともなく準備をして病院に向かう。持参品としては500ミリの水を2本用意しろとのことだ。
受付を済ませて待っていると、検査室に呼ばれて今日の流れの説明を受ける。
手順でいうと、
・下剤を飲み腸を完全に空にする
・大腸内視鏡検査
の二本立てだ。
下剤を飲む
下剤を飲む。当日の下剤は透明なもので、量が2リットルほどだ。これもまたなかなかタフで、15分おきにコップ一杯ずつ、計8回ぐらいに分けて飲み干していく。味はスポーツドリンクのようでまずいというわけではなかったけれども量がなかなかの厳しい。さらには半分ほど飲み干したところで一度持参した500ミリのお水も全部飲めとのことで、計2.5リットルほどがお腹に入る。
下剤がうまくまわるように、飲んだら散歩や体をひねるなどの運動をするとのことで、飲む度に喫煙所に行きタバコを吸っていたのでその辺りは楽ちんだった。 飲み始めから1時間あたりからどんどんアレが出てくる。最初は色づいているけれども最終的には透明というか黄色がかった透明になるのも初めて知るところだった。 そのまま検査直前まで出し続け、出しきったところで内視鏡検査となる。
ここで注意しないといけないのは、チェックが必要ということだ。チェックとは何か。チェックとはチェックである。つまりは確認である。誰による何の確認か。それはつまりは看護婦さんによるアレの確認だ。下剤が申し分なく効いているか、出きっているか、そういったことを看護婦さんに目視で確認してもらう必要があるのだ。
君は大人になった後に誰かにうんこを見られたことはあるだろうか。検便なんかでキットに封入したやつであれば見られることもあるだろう。しかしそれはキットに入っているのだ。今回は便器での目視チェックだ。たとえば君にスカトロ趣味があるようであればその限りではないだろう。しかしおれはその趣味を持ち合わせていない。これが鬼門である。見られたくないことベスト5をアンケートしたならばかなりの上位に入ってくるのではないだろうか。
幸いにも最終チェック段階で、中のものは出しきっている。つまりはほぼ透明のものだ。それで幾分恥ずかしさは紛らわされるのだが、ここにひとつ盲点があった。
ここでなぞなぞである。「うんこをした後にすることはなーんだ?」
一瞬で答えを言うならば、それは拭くということである。
その病院には幸いにもウォシュレットが完備されている。用を足したあとにウォシュレットを用いて洗うけれども、不幸にも乾燥機能がなかったのだ。
さて、ウォシュレット後に乾燥機能が無い場合にどうするかは二択なのではないだろうか。一つ目はトイレットペーパーで水分を拭き取る、ふたつ目は自然乾燥を待つ。本当であれば自然に身を任せて乾燥させたいけれどもそんな悠長なことはいってられない。むしろ看護婦さんも乾燥機能が無いことは知っているだろう。逆にトイレットペーパーが無いようであればどのような感情を抱くのだろうか。さてはこいつは拭いてないのではなかろうか、と訝しがられるのかもしれない。やむなく泣きながらトイレットペーパーで水分を拭き取り看護婦さんを呼ぶ。便器にはかすかに色づいた程度の透明な水と、一欠片のトイレットペーパー。恥ずかしさの本質はうんこ本体ではなくトイレットペーパーなのかもしれない。看護婦さんは「ばっちりです♪」と言ってくれた。
内視鏡をぶち込む
準備は完全に整った。検査着に着替えるとお尻部分に穴が開いたタイプのものだった。前後が逆なら完全にアウトだろうが、もしこれで街に出れば変質者扱いされるのだろうか。
検査室に入り検査台に仰向けに寝転び点滴を入れる。今まで入院もしたことないのでこれも初めての経験だ。点滴から麻酔薬を投入し、うつらうつらしてきたところでアナルに違和感が走る。
ヌッ
ヌロッ
音をどう表現するかは難しいのだが、おそらく一音目はナ行かマ行、二音目はラ行だろう。
処女を失う。ロストバージン。なぜか「今までありがとうございました」という感謝の念が浮かんだ。
ということでゴリゴリ腸の中をカメラが進んでいって都度パシャパシャと写真を撮っていくのであるけれども、これがなかなかつらいもので、カーブなんかで腸壁に当たるタイミングかなんかわからないけれども、たまーにめちゃくちゃ痛みが走るタイミングがあり普通に泣きそうだった。目は冴えているのでモニターを眺めながら早く終わんないかなぁなどと考えていた。 ちらちらモニターに赤いやつとか白いやつとか映りこみ、それをパシャパシャ撮るタイミングでめちゃんこ不安になる。
たぶん20分ぐらいかしたところで検査は終わり、カメラを抜いたところでそのままちょっと休んでおいてということだったので、検査台で爆睡。この麻酔が入っているからかはわからないけれども、この睡眠がめちゃくちゃ気持ち良い睡眠だった。
結果を効く。あるいは命とは
看護婦さんに起こされる。じゃぁ着替えて診察室に来てってなことで着替えて荷物とかを準備して診察室に。 予約の際にした採血の血液検査結果は問題なしということを聞く。梅毒が無くてよかった。
先生がモニターに先ほど撮影した腸内の写真を映しながらここはこうでここはこうで、という説明をしてくれる。結果は極々小さな炎症はあるけれども特に異常は見られずアナルのちょっと奥に小さな痔があるねデュフフw程度だった。まぁ一回腸もキレイになったし経過を見てみようかとのことだった。一安心である。
前日に会社なんかで冗談交じりに「明日処女失うんすよ」的なことを言ってたけれども、某歌舞伎俳優のお嫁さんは同い年であり、先日大病を患ったことを会見した。可能性はたぶん小さいのだろうけれども、大きな病気をしているかもとちょびっとは不安があったわけで、命について考える機会となった。
この生命がどこまで続くのかはわからないけれども、生きているうちに何をすべきか、何をしたいのか、何をまだしていないのか。そういったことを考えたけれども、ひとつだけわかるのがあって、おれはまだアナルセックスをしたことが無いということだ。それは確かなことさ。
今回のブログはクソブログだ。願わくば閉じるその前に「クソブログあげんなし」とコメントを乗せてSNSにシェアしてくれたらそれはそれで素敵なことさ。