続・KISSから始まるミステリー
人工知能が星新一のショートショートをつくるというニュースを見た。
AIがつくった星新一の「新作」 できはいかほど?:朝日新聞デジタル
見てみるとそのショートショートは文字数にしてたったの400字たらずだ。主として主人公であるところの鈴木邦男と悪魔の会話。起承転結でいうと起で状況の描写を行い、会話形式で承転、結は会話をはずれてオチとしている。
「今のところ、貢献度は人間が8割でコンピューターは2割程度にとどまる。これからさらにAIの比率を高めていきたい」
とあり書いてるのほぼ人やんけというツッコミが入るところはあるけれどもまぁこのレベルで良さ気なら書けそうである。
ということで、先日のブログに書いた
誰が・・・ヤリマンのOLが
いつ・・・クズな彼氏とケンカした日に
なぜ・・・誰でもいいからセックスがしたくて
どのような・・・酔払ちゃったとウソをついた
という流れで書いてみる。名前なんかは拝借しよう。
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鈴木邦男はクズだ。休みの日はギャンブルにばかり時間とお金を費やす。勝てば機嫌良く酒を飲み、負けては不機嫌に酒を飲む。 そして私はそのクズの彼女だ。
ケンカをした理由はもう忘れてしまった。どうせしょうもないことだろう。
些細なことから言い合いになって部屋を飛び出してきたのは少し前のこと。
今はひとりでお酒を飲んでいる。
部屋を飛び出して夜の駅前をふらふらと歩いていると、雑居ビルの前に見慣れないバーの看板があった。
看板には薄暗い店内の写真が貼っていて、ひとりでも入れそうだった。
カウンターに座って50代ぐらいのバーテンダーと話しながらもう1時間、イライラしてたせいもあってかお酒もどんどん進んでいった。
白いシャツに黒のベストをきっちりと着込んだロマンスグレーのバーテンダー。いつの間にか邦男の悪口ばかりになっていた私に優しく、うんうんと静かに聞き、ときには肯定してくれたりときには私をたしなめたりした。
そんなバーテンダーがふいに言った。
「実は私、悪魔なんですよ」
「イタズラならよして」
「なんでも一つ願いを叶えてみせましょう」
「バカバカしいわ」
「一度試してからでも損はないでしょう」
「じゃあそうね、私、酔っちゃったみたい」
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ってかんじでどうでしょうか。(おわり)