9回裏最後のバッターの最後の一球を、客席に向かって投げてそのままマウンドからピッチャーが消えてくようなブログ

平日は1000〜2000文字ぐらい、土日は4000文字ぐらい書きますがどちらも端的に言うと20文字くらいに収まるブログです。

◯◯に行ってきましたクッキーの功罪と満月ポン

たとえば君がどこか旅行に行ったり帰省することがあるとしよう。

そうするとどこどこ行って来たのでおみやげを買ってきました的な流れになるのではないだろうか。

もし君が学生でごくごく仲の良い数名のみにおみやげを買うようであったり、会社の同じチームの数人程度であればそれぞれに取っておきのおみやげを持っていくことになるのだろうけれども、ある規模の集団、たとえばグループ全体や会社全体になるとそうともいかない。

規模や風習によるけれどもたとえばおれが勤めている会社ではフロアに4,50人いるわけで。ひとりひとりに「どこどこに行ってきたんです」と配り回るような非効率なことはせず、まぁぼちぼち行き渡るように何個も入っているような箱入りのものを買ってきて、メールでテンプレのように


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◯◯に行ってきました。
どこどこに置いているので食べてください。
数に限りがあるのでお早めに。
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的なメールを送ることでミッションが完了だ。

こうすることにより食べたい人は食べ、ダイエット中の人や味がダメな人は控えるシステムだ。

 

あるいはここでシステムに疑問を持つ反体制派の君は、そのおみやげシステム自体を否定し、何の意味があるんだとシュプレヒコールをあげるかもしれない。おれはそういった慣習なんてくそくらえだと中指を立てるだろう。そういった面々は総じてコミュ症である。つまりはおみやげとはコミュニケーションのきっかけである。どこどこに行ってたんだ、どうだった、どこ行ったあれ行った?などのコミュニケーションの取っ掛かりとなるのは間違いなく、その旅が素晴らしいものであれば共有し、ぜひその素晴らしさを体験するのも良いだろうと提案することもできる。

 

ただただfacebookに写真をアップし「どこどこ行ってきました〜〜〜〜、あれとかこれとかもう最の高〜〜〜〜!!いいね〜〜〜〜!!!」と投稿してコメントでのコミュニケーションもあるだろう。しかしfacebookのコメントというのも観測範囲ではコメント→返信までが大半を占め、会話が数往復することも稀だ。その中でそこをおすすめしきることが可能なのかというと疑問がつくだろう。

 

ではここであらためておみやげについて考えてみる。

 

特別懇意にしていたり、あげたりもらったりの仲であれば、その人を考え、行った旅先特有のものや名産品とその人を掛けあわせ、あ、これなら喜びそうだなというものをチョイスするだろう。思いがつまっていて大変良さがある。

 

今回考えたいのはバラマキ型、配布型、つまりは不特定多数に配るもので考えたい。

ここで一番シンプルなのはやはりお菓子というかおやつというか、そういうものだ。味の当たり外れが小さく、ある程度の量を確保でき、仕事中の小腹を満たすことができハッピーである。

 

空港や駅に行ったらおみやげコーナーがあるのでそこで2,3箱こしらえて持って帰るというパターンも多々あるのではないだろうか。24個入り1200円とかでリーズナブルで量もある。かさばらないように配慮されていたりする。道中の邪魔にはならずに帰り際に楽に手に入れることができて非常に効率的だ。

 

駅においてあるおみやげはもちろんおいしい。どこどこチョコレートとか、どこどこに行ってきましたクッキーとか。

しかしここでひとつ疑問を呈したい。たとえば君が「どこどこに行ってきましたクッキー」をおみやげとして会社に持って行ったとしよう。これは怠惰である。七つの大罪でいう怠惰である。

 

怠惰とは何かというとどこどこに行ってきましたクッキーが普通のクッキーだということだ。たとえばそのクッキーには彼の地のおいしい名産品の成分が含まえれているならば、そこでしか手に入らない名産品の周知となる。

たとえば名産品とか全然関係なく普通のクッキーに焼き印が付いているだけのようなものであれば、君がどこどこに行ったという事実とクッキーという事実の2つしかないのではないだろうか。でももしこれが「みかん果汁配合、愛媛に行ってきましたみかんクッキー」であれば、君が愛媛に行った事実に加えて愛媛オリジナルという付加価値がひとつ追加されるだろう。

 

たとえばビビるぐらいおいしいおみやげというのがある。

北海道でいうとマルセイバターサンドであったり、信州であれば雷鳥の里であったり、名物となりながらその圧倒的なおいしさで喜ばれるものがあるだろう。

ではこれらはそこに行かないと手に入れることができないのだろうか、というと否である。

 

六花亭 マルセイバターサンド 10個

六花亭 マルセイバターサンド 10個

 

 

雷鳥の里 9枚入

雷鳥の里 9枚入

 

 

しっかりとamazonで買えるじゃないか。

ではamazonで買うかと言われれば、よほど心酔している君以外は少ないのではないだろうか。自分では買わないけれども、おみやげでもらったら超絶おいしすぎてハッピーアンドラッキーといったようなものだ。

 

夏休みというのが無いけれども、土日で大阪に帰ってきた。

 

空港では大阪行ってきました的なクッキーやチョコレートで溢れているけれども、やはりおみやげには大阪オリジナルのものを提供したい。

昨日のG1クライマックス決勝でケニー・オメガがかつての盟友飯伏幸太のシットダウン式ラストライドにフェニックス・スプラッシュ、かつてバレットクラブを率いたプリンス・デヴィットのブラディ・サンデー、AJスタイルズのスタイルズクラッシュを繰り出した。

ケニー・オメガのこれまでのストーリーが凝縮され、そして自らのフィニッシュ、片翼の天使で試合を決めた。

 

大変な感動を覚える流れであり見習いたい。それをおみやげにぶつけたい。自らのこれまでのストーリーをおみやげにぶつけたい。今は東京に住んでいるけれどもかつて地元大阪で過ごしたその日々をぶつけたい。

 

東京は日本全国様々な地域から出てきた人々の寄せ集めだ。我々はそれらの地域について何を知っている。何も知らない。知の共有だ。伝えるということだ。だから旅に出るのであり地元に帰るのであり、そのおみやげをバラマキ型として配るのだ。どこどこは素晴らしい。そこにはあれやこれや、あんなことやこんなことがあってね。君も一度行ってみなさいよ。

 

大阪土産は満月ポンだ。

 

大阪下町の味というキャッチコピーがついた銘菓だ。空港や新大阪には打ってないだろう。知らんけど。

公式twitterのフォロワーが38という驚異的な公式アカウントだ。大阪人すらフォローしてないじゃないか。どういうことだ。 

なんなんだよ。

 

しかし満月ポンはおれが幼少のころより慣れ親しんだ味であり銘菓であり、シットダウン式ラストライド、フェニックス・スプラッシュ、ブラディ・サンデーでありスタイルズクラッシュだ。

袋で買って貪るもよし、たとえば小学生の頃に下校中のたまり場となっていた駄菓子屋兼たこ焼き屋では満月ポンの間にたこ焼きを挟み込むたこポンを20円か30円ぐらいで売っていたじゃないか。

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引用:放浪あひるの散歩

 

下校中の買い食いは禁止されていた。その禁忌を犯してはまりこんだ味ではないか。食べるうちに飽きてくるけれども翌日には手持ち無沙汰に食べたくなる満月ポン。

 

そういった思いの乗せてキューズモール地下のイトーヨーカドーで満月ポンを購買するのであり、喜んでいただければ最高だ。 湿気ると激マズになるので願わくば開封後即食べていただきたい。

 

君はかつてどこに旅をしてこれからどこに旅に行くのだろう。

もしおみやげをばらまく形になるようであれば、◯◯に行ってきましたクッキーはよして、長考してみていただきたい。

 

そして大阪に行ったのであれば満月ポンをおみやげにばらまいていただきたい。