9回裏最後のバッターの最後の一球を、客席に向かって投げてそのままマウンドからピッチャーが消えてくようなブログ

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『夫のちんぽが入らない』 こだま:感想

読後の所感というのはもちろんその人の人生や今いる環境や、あるいは直接今まで読んできたものであったり、その本に出会うタイミングによって左右される。つまりは人によって感想や感情は違う、というのは当然のことであって、たとえば「全米が泣いた!」と誰かが言っても君は笑うかもしれない。

 

 

本の読み方は人それぞれ違うのであって、たとえばおれは君じゃないから君がどうしているかわからないけれども、小説によっては描かれたその風景をイメージしながら、つまりは文字をイメージに変換しながら読み進めたり、あるいは主人公の性格にドキドキしたりもやもやしたり、登場人物を実際の人として脳内に具現化させたり、ここからどういった展開になるのか予想しながら読んでみたり、自分がその世界にいたらどうかと世界に没頭してみたり、文字を文字のまま受け止めたりしてるんじゃないかしら。知らんけど。

 

私小説というジャンルがある。作者が経験したことをベースにして書かれた小説であって作者自身、あるいは作者がモチーフとなっているであろう人物が主人公となりストーリーが進行する。客観的な描写よりも内面的な描写がメインとなる。じゃぁ自伝とは違うのかよ、となると明確に違うのであって、私小説はあくまで小説であって事実をベースにストーリー要素をレトリック等を用いてつけているものであって。その歴史は古いけど中島らもの名作『今夜、すべてのバーで』とかは最the高のやつだ。

 

で、話題の本作『夫のちんぽが入らない』を読んだ。ハードカバーだけどさくさく進んで4時間ぐらいで読めたかと思う。

 

 

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない

 

 

概要をwebサイトから引っ張ると

同じ大学に通う自由奔放な青年と交際を始めた18歳の「私」(こだま)。初めて体を重ねようとしたある夜、事件は起きた。彼の性器が全く入らなかったのだ。その後も二人は「入らない」一方で精神的な結びつきを強くしていき、結婚。しかし「いつか入る」という願いは叶わぬまま、「私」はさらなる悲劇の渦に飲み込まれていく……。

 

交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落”の半生。“衝撃の実話”が大幅加筆修正のうえ、完全版としてついに書籍化!

 

とある。

要素を箇条書きにすると

・学生時、出会い

・夫とのセックス

・就職

・他人とのセックス

・退職後

ってかんじかしら。

その間に夫の他、家族や生徒、関係を持つ人物との人間関係ってところが描かれていて、端的にいうと感想は虚無であって、日記にむりやりメタファーを入れて小説っぽくしてみましたとかストーリー風にしてみましたとか、ところどころに入っているギャグ的要素も痛々しく、おもしろいおもしろくない以前の話で、何も無いという虚無だけが残った。その虚無も特に主人公やそのストーリー自体にある救えなさとかそういう虚無ではなく本作自体がからっぽなかんじ。

 

ともあれ「ネットで話題!」である。とはいえ「ネットで話題!」である。

 

読んでまず最初にしたのは他の人はこれを読みどのように感じたかの確認したぐらいであり、所感を書いたブログであったりamazonのレビューに書かれたものを読み漁って、なるほどこう読んでいるのかというところを眺めた。amazonレビューの星は1と5が半々に割り振られていて、低評価のレビューを見てるとその救われなさや主人公に対する嫌悪感が先行しているものもあるけど、まぁそういう人もいるだろう、そういう形もあるだろうってかんじでただただ感情の起伏もなくどうでもいいことがつらつらと流れつづけているってかんじでした。おれの場合はレビューにあった

どうでも良い人のどうでも良いブログ(日記)を読んだ。

が一番近しい。けれどもこう書くとそのまま真正面に反射してくるのでつらい。

 

初出はサークルで文学フリマに出している本に寄稿した1万字らしいけど、そのボリュームならおもしろく読めるかもねってかんじでそれぐらいでいいんじゃないかしらん。読んでないからわからんけど。

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