9回裏最後のバッターの最後の一球を、客席に向かって投げてそのままマウンドからピッチャーが消えてくようなブログ

平日は1000〜2000文字ぐらい、土日は4000文字ぐらい書きますがどちらも端的に言うと20文字くらいに収まるブログです。

Rの罪と優しさ、あるいはコーヒーのサイズ表記とトールラテください。

物事には大きさがある。

 

寝坊しない限りは5時半に起き7時には職場近くのPRONTOでコーヒーをちゅらちゅらと啜りながらPCをカタカタしたり本を読んだりしているのだけれども、PRONTOでひとつ厄介なのはそのサイズ、つまりはカップサイズ、ドリンクの量の呼称だ。

 

 

量/サイズというとだいたい二つに分かれるのであって、最も慣れ親しまれた呼称で言うと、対象を問わず「S(Small:スモール)/M(Medium:ミディアム)/L(Large:ラージ)」である。そしてもうひとつ、ことコーヒーに限っては(Short:ショート/Large:ラージ/Grande:グランデ)といったけったいな尺度が出て来る。

 

この呼称はコーヒー屋さんそれぞれで異なるのであって、まとめてみると以下になる。

 

 店舗 \ サイズ表記
ドトール S M L
スターバックスコーヒー Short Tall Grande
コメダ珈琲店 - - -
タリーズ Short Tall Grande
上島珈琲店 - - -
サンマルクカフェ S M L
珈琲館 - - -
喫茶室ルノアール - - -
星乃珈琲店 - - -
ベローチェ - M L
PRONTO R M L

 -はワンサイズのお店。

 

サイズ分けがなされた店舗はS/M/L、あるいはShort/Tall/Grandeで分かれている。ここで罪なのがPRONTOである。R。

 

たとえば君がスターバックスに行きカフェラテをオーダーする際には、「スターバックスラテのトールをください!」とオーダーするかも知れないし、ちょっとこなれた感を出すために「トールラテを。」と短縮版でオーダーするかもしれない。

 

呼称はそれぞれ「スターバックラテのショートを」「スターバックスラテのトールを」「スターバックスラテのグランデを」と。つまりは単語をそのまま、略語にせずにオーダーするだろう。「スターバックスラテのエスを」「スターバックスラテのティーを」「スターバックスラテのジーを」というのは聞いた記憶が無い。もしかしたら「エス」でオーダーする人もいるかもしれないけれどもそれはS/M/Lと共通するからだろう。

 

一方、S/M/Lの店舗では、君は「ホットコーヒーのエスをください」「ホットコーヒーのエムください」「ホットコーヒーのエルください」と頭文字でオーダーするのであって、「ホットコーヒーのスモールを」「ホットコーヒーのミディアムを」「ホットコーヒーのラージを」とオーダーする人はいないだろう。あるいは「おっきいの」「ちっさいの」「まんなかの」とオーダーして店員に「Lですか?」と聞き返されるかもしれない。そもそもメニューにS/M/Lしか書かれていない例が多い。

 

そして問題のPRONTOである。Sにあたる、つまりは小にあたるサイズをR(レギュラー)と規定しているのである。

Regularというと「通常の」とか「規則的な」とかいう意味であって、つまりはいつもと変わりないサイズ、他と変わりないといった意味である。

 

さて、オーダーする際である。

「ホットコーヒーのアールをください」と言うか「ホットコーヒーのレギュラーをください」と言うか。おれの場合は後者である。なぜか。馴染みがないからである。馴染みがないというのはつまりは「アールをください」とオーダーすることで通じるのかという懸念が伴うからである。もちろん通じるんだけど。

 

たとえば友人との会話で服のサイズになったとして「服、アール?」と聞かれたら「アール」が何かわからず脳が混乱するだろう。つまりはサイズの尺度としての認識が不足している。

 

あるいは S = 小さい 、「小さい」というと得てしてがネガティブな印象を持つことがあるため、それを回避するためのものかもしれない。

 

たとえば女の子に「ちんこSサイズだよね」と言われると傷つくかもしれないけれども、「ちんこレギュラーサイズだよね」と言われると救いがあるのかもしれない。

それはRの優しさなのかもしれない。

 

我々は今、「小さい」に伴うネガティブな印象を取り払うか、Sを排除してRに挿げ替え優しい社会にするかの岐路に立たされている。